
練習を嫌がる時、どう関わればいい?
「最近、練習に行きたがらなくて…」「サッカーを嫌いになったのかな?」 そんな不安を抱える保護者の方は少なくありません。特に小学生から中学生にかけての時期は、やる気の波が大きく揺れる時期。サッカーを始めた頃は楽しく取り組んでいた子も、ある日突然「行きたくない」と言い出すことがあります。
でも、それは必ずしも“本気で辞めたい”という気持ちではないかもしれません。やる気が落ちているように見えるその背景には、成長のサインや、環境の変化、心の揺らぎが隠れていることも。
この記事では、やる気が続かないときの子どもの心の中と、保護者ができるサポートの方法を、具体的な例とともに紹介します。
「やる気がない」=本当にやめたいわけではない
まず知っておいてほしいのは、「やる気がない」と感じるときの子どもは、多くの場合、“気持ちが整理できていないだけ”ということです。
- 気持ちの波は自然なこと: 子どもには気分の浮き沈みがあります。学校や家庭での出来事、友達関係、成績、体の調子――どれかひとつが揺らぐだけでも、やる気がぐっと下がることがあります。これは“成長の途中”でごく自然なことです。
- 一時的な壁にぶつかっているだけかも: 練習についていけない、試合でうまくいかない、コーチに怒られた――そうした経験があると、「もう無理」と感じてしまうこともあります。でも、それはあくまで一時的な壁であって、本質的にサッカーを嫌いになったわけではないのです。
- 自分の気持ちをうまく言語化できていない: 子どもは「なんとなく行きたくない」という感情を、言葉でうまく説明できないことが多いです。そのため、周囲からは“やる気がない”と見えてしまいますが、実際は頭と心の中で葛藤が起きているだけの場合もあります。
保護者が「やる気ないの?」と決めつけてしまうと、子どもはますます本音を言えなくなります。まずは、「やる気が続かない=サッカーを辞めたい」と短絡的に考えないことが大切です。
モチベーションを取り戻す環境づくり

やる気を引き出すのは、言葉だけではありません。環境の工夫によって、自然とモチベーションが回復することもあります。
- 小さな目標を設定して達成感を積み重ねる: 「今日は1本でもゴールを決める」「1試合で3回声を出す」など、すぐに達成できそうな目標を一緒に立てましょう。結果ではなく、努力のプロセスを目標にすることがポイントです。達成感を感じることで、また次も頑張ってみようという気持ちが芽生えます。
- 遊び感覚のメニューを取り入れる: 練習が単調で退屈になっている場合、ちょっとした“遊び要素”がやる気回復のきっかけになります。例えば、家の中でのリフティングチャレンジ、親子で1on1、ボール当てゲームなど、「楽しい!」を感じられる時間を作ってみてください。
- 仲間との関わりを活かす: 仲間と一緒に笑ったり、助け合ったりする時間が増えると、「サッカー=楽しい」と感じやすくなります。自宅では、友達と遊べる時間や、試合後の振り返りをシェアできる時間を意識して作ってみるのも効果的です。
子どものやる気は、“結果”ではなく“環境”に左右されることがよくあります。プレッシャーよりも、「自分でやってみたい」と思える空気づくりが大切です。
保護者の声かけのポイント
最後に、やる気が落ちているときの声かけの工夫について紹介します。
- 安心感を与える言葉をかける: 子どもが悩んでいるときには、まず「大丈夫?」「最近どう?」と、優しく声をかけてあげてください。問い詰めるような言葉ではなく、気持ちに寄り添う姿勢が、子どもにとっての“安全基地”になります。
- 原因を一緒に探る: すぐにアドバイスをするのではなく、「何か気になってることある?」と一緒に原因を探ってみましょう。「コーチの言い方が怖かった」「うまくできなくて恥ずかしかった」など、子どもなりの理由が見えてくるはずです。
- 他人と比較しない言葉を使う: 「○○くんは頑張ってるのに」ではなく、「前よりできることが増えたね」「昨日より声が出てたよ」と、“その子自身の成長”に注目して声をかけることが大切です。
保護者の何気ない一言が、子どものやる気を支える大きな力になります。焦らず、比べず、見守ること。やる気が続かない時期は、子どもにとって“成長のきっかけ”でもあります。
IPPOでは、こうした心の揺れやモチベーションの課題に対しても、子ども一人ひとりのペースに合わせた指導を行っています。
「最近やる気が落ちてる気がする…」 そう感じたときは、一人で抱え込まず、ぜひIPPOのコーチにも相談してみてください。
お子さんの“やる気”を取り戻すヒントが、きっと見つかるはずです。