
「うちの子、技術はあるけど“判断”がイマイチで…」
「“サッカーIQが高い”って言われる子、どこが違うの?」
保護者の方から、そんな声をよく聞きます。
サッカーにおける「頭の良さ」は、学校のテストで点数が取れる“学力”とは違います。
瞬間的な判断力や、状況を読む力、先の展開を予測する力。それが“サッカーの頭の良さ”です。
今回は、
- サッカーがうまい選手と“頭がいい”選手の違い
- 「サッカーIQ」を育てるための練習・日常習慣
- 保護者としてできるサポートの工夫
を、やさしくわかりやすくお伝えします。
「うまい選手」と「頭がいい選手」は違う?
まず、混同されがちなこの2つ。
「うまい選手」とは、技術に秀でた選手のこと。
たとえば、ドリブルが速い、トラップが上手い、シュートが強いといった、ボール扱いに長けた子です。
「頭がいい選手」は、プレーの判断が的確で、常に“次の1手”を考えながら動いている子のこと。
この違いを、もっと具体的に見てみましょう。
たとえば、ボールを持っている場面。
- うまい選手は「華麗なドリブルで相手をかわす」ことができる。
- 頭がいい選手は「今ドリブルかパスか、相手の位置や味方の動きを見て選ぶ」。
つまり、「どう動くか」ではなく、「なぜそのプレーを選ぶのか」。
この“選択の理由”が、サッカーの頭の良さです。
そしてこの力は、ボールを持っていないときにも発揮されます。
- 味方が困っているときに、自然とサポートに入る
- 相手のパスコースを読み、先回りして守備に回る
- 次の展開を想定し、ポジションを修正している
こうした“見えにくいけれど効いている”動きができるのが、本当に頭がいい選手なんです。
サッカーIQを育てる習慣
では、「頭のいい選手」になるには、どうすれば良いのでしょうか?
特別な才能やセンスが必要だと思われがちですが、実は日々の積み重ねで誰でも伸ばすことができます。
① 相手をよく観察する
練習や試合で「相手を観察する習慣」を身につけることが、サッカーIQの第一歩。
- 相手はどこにスペースを空けやすいか?
- どんなプレーに弱そうか?
- どの足でボールを持ちたがるか?
こうした“クセ”を見抜くことが、プレーの選択に大きくつながります。
観察力がある子は、「自分のプレー」だけでなく、「相手がどう来るか」も考えて動けるようになります。
② 自分のプレーを振り返る
練習や試合後に、「なぜあの場面でそのプレーを選んだのか?」と考える習慣も重要です。
たとえば、1対1で抜けなかったとき。
- 「ドリブルを選んだけど、味方へのパスの選択もあったかもしれない」
- 「あのタイミングで走り出しておけば、もっと良い位置で受けられた」
このように振り返ることで、次回の判断が磨かれていきます。
③ プレー映像を見て「意味」を考える
自分のプレーやプロ選手の試合を見て、「なぜそう動いたのか」「他の選択肢は?」を考えることが、“思考の型”を育てます。
親子で一緒に映像を見ながら、
- 「ここでなぜパスじゃなくてドリブル?」
- 「この守備はどこをカバーしてる?」
といったやりとりをするだけでも、自然と“考える力”が身についていきます。
保護者としての関わり方
プレーそのものは子どもがやることですが、その成長を後押しするのは保護者の声かけや環境づくりです。
判断をほめる
「ゴールを決めた!」だけでなく、
- 「今のタイミング、よく見てたね」
- 「あの判断、すごく良かったよ」
といった“選んだこと”をほめてあげましょう。
子どもは「考えていいんだ」「選んでいいんだ」と自信を持つようになります。
結果より“選択”を大事にする
ミスをしたときでも、「チャレンジした判断は良かった」と伝えることで、次も挑戦する気持ちが育ちます。
成功か失敗かではなく、「なぜそのプレーを選んだか?」に注目することで、子どもは“考えるサッカー”を続けていきます。
普段の会話でも“思考のきっかけ”を
食事中や帰り道でも、「今日はどんなプレーをした?」「なにか工夫したところある?」といった声かけが、子どもにとって大きな刺激になります。
大人の何気ない質問が、子どものサッカーを“ただ動く”から“考えて動く”へと変えてくれるのです。
おわりに:考える力が、子どもをもっと強くする
サッカーにおける“頭の良さ”は、日々の小さな積み重ねから育まれるものです。
- 相手をよく見る
- 自分の判断を振り返る
- 映像から学ぶ
- 選択を認めてもらう
この4つを日常に取り入れていくだけで、子どものプレーは変わっていきます。
IPPOでは、判断力や戦術理解を育てるカリキュラムを用意しています。
練習中に選択肢を言語化するトレーニングや、プレーを振り返って考える時間など、**“頭を使うサッカー”**を日常に落とし込んでいます。
「ただ走るだけでなく、考える力も育てたい」
「サッカーを通じて、自分で判断できる子になってほしい」そう願う保護者の方に、ぜひ一度IPPOを体験してみていただきたいです。
“頭を使ったサッカー”ができるようになると、試合がもっと面白くなります。
そして、その変化を一番喜んでくれるのは、きっとお子さん自身です。