骨と筋肉の成長を支える“食事の質”とは？
サッカーのパフォーマンスは、ピッチの上だけで決まるわけではありません。 特に成長期の子どもにとって、「何を食べるか」「いつ食べるか」は、身体の伸びや発達に直結します。
このガイドでは、骨の伸長や筋発達を最大限に引き出すための栄養素、補食のタイミング、そして忙しいご家庭でも実践しやすい時短レシピまでを、管理栄養士の視点も交えてわかりやすくご紹介します。
成長期に特に必要な栄養素と組み合わせ
まず押さえておきたいのが、成長期の体づくりに不可欠な栄養素とその組み合わせです。これらは、骨の成長・筋肉の発達・体調管理に関わる非常に重要な栄養素です。
- たんぱく質：体重1kgあたり1.5gが目安
筋肉や骨、内臓など、身体のあらゆる組織をつくる材料です。 たとえば体重40kgの小学生なら、1日に約60gのたんぱく質が必要になります。これは卵なら約9個分、鶏むね肉なら300gほど。もちろん一気に摂る必要はなく、3食に分けて少しずつ摂れば大丈夫です。 納豆や豆腐など植物性たんぱく質も組み合わせながら、バランス良く取り入れていきましょう。 - カルシウム × ビタミンD：骨の材料＋吸収を助けるタッグ
骨の主成分であるカルシウムと、その吸収を助けるビタミンDはセットで考える必要があります。牛乳やヨーグルトでカルシウムを、鮭・しらす・きのこ類でビタミンDを。さらに太陽の光を浴びることで、体内でもビタミンDが生成されます。 - 鉄 ＋ ビタミンC：酸素を運ぶ＋吸収率アップの黄金セット
鉄分は、全身に酸素を運ぶ血液の材料です。貧血を防ぐためにも、レバー・赤身肉・小松菜・ほうれん草などを取り入れましょう。 同時に、ビタミンC（ピーマン、いちご、柑橘類など）を一緒に摂ることで、鉄の吸収率が高まります。
成長痛や疲れやすさ、集中力の低下などは、実はこれらの栄養素不足が原因となっていることも。日々の食事からしっかりと補っていきたいですね。
試合前後の補食モデル
試合や練習のパフォーマンスを最大限発揮するには、タイミングと内容の両方を意識した補食が重要です。 特に成長期の子どもたちは、エネルギーの消費量が多いため、意識的な補食が必要不可欠です。
- キックオフ3時間前まで：主食＋主菜でエネルギー満タン
白米・パン・うどんなどの主食に、鶏肉や卵などの主菜を組み合わせましょう。おすすめは「おにぎり＋卵焼き」「うどん＋焼き魚」など、消化が良く腹持ちの良いメニュー。 このタイミングを逃すと、エネルギー切れで試合中にバテてしまう原因にもなります。 - ハーフタイム：果糖＋電解質で瞬間回復
体内にすぐにエネルギーとして使える糖質（果糖）と、水分＋電解質を補給できるものを。バナナ・りんごジュース・塩分入りのゼリー飲料などが最適です。特に夏場はスポーツドリンクなどで脱水対策も忘れずに。 - 試合後30分以内：回復の“ゴールデンタイム”を逃さない
筋肉やエネルギーの回復を促すため、糖質とたんぱく質を一緒に摂取するのが理想です。フルーツジュース、おにぎり、ヨーグルトなど、持ち運びできる軽食を用意しておくとスムーズです。
補食を正しく行うだけで、次の練習や試合への回復力が大きく変わってきます。
忙しい家庭向け時短レシピ
毎日の食事づくり、忙しい保護者の方にとっては大きな負担ですよね。 でも、時短でもしっかり栄養を摂れるレシピがあれば、手軽に子どもの身体づくりをサポートできます。
冷凍肉巻きおにぎり
- おにぎりに豚肉を巻いて焼いた後、冷凍しておけば補食にもお弁当にも便利。
- 主食と主菜が一度に摂れます。
- レシピ：https://cookpad.com/recipe/5520170
レンチン卵蒸しパン
- 卵と牛乳、ホットケーキミックスを混ぜてマグカップで加熱。
- 忙しい朝でも簡単に作れ、カルシウムとたんぱく質がしっかり摂れます。
- レシピ：https://cookpad.com/recipe/7626869
作り置き具だくさん味噌汁
- 冷蔵庫の残り野菜を活用した味噌汁は、栄養満点で経済的。
- 豆腐や野菜をたっぷり入れて、冷蔵保存しておけば忙しい日でもすぐに出せます。
- レシピ：https://cookpad.com/recipe/4146323
時短でも「工夫」と「組み合わせ」で、成長を支える十分な食事になります。
最後に：オフザピッチの習慣が未来をつくる
食事は「練習の一部」と言っても過言ではありません。 毎日を少しずつ積み重ねることが、ケガの予防、疲労の回復、そして将来的なパフォーマンスアップにつながっていきます。
IPPOでは、栄養や補食についてのご相談も大歓迎です。 食事の面からも、子どもたちの夢と成長を一緒に支えていきましょう。
