
「トレセンって、結局何が評価されてるの?」
今回は、東京都サッカー協会のホームページに書かれている内容や、東京の育成資料をもとに、
トレセンの目的と、そこから見えてくる“選ばれる選手の共通点”を整理していきます。
受かった子を見ると、やっぱりうまそうに見える。
でも、落ちた理由はよくわからない。
何を見られていたのかも、はっきりしない。
東京のトレセンは、将来トップレベルの選手になれる可能性を持った選手を発掘し、年齢や所属を越えてハイレベルな環境を与えることを役割としています。さらに、東京都では都内を7地域に分けた「地域トレセン」と、そこから選ばれた選手やその“原石”が集まる「東京トレセン」があり、チームの勝利よりも選手個々のレベルアップを目的にしていることが明確に示されています。
参考:
https://www.tokyofa.or.jp/category/committee/technical/
https://www.tokyo-2bloc.jp/files/tc/training_center.pdf
東京のトレセンは「今うまい子を集める場」ではない
まず前提として大事なのはここです。
トレセンというと、
- 足が速い子
- ドリブルで目立つ子
- 試合で点を取る子
が選ばれるイメージを持たれやすいです。
もちろん、そういった力も大事です。
でも、東京の方針を見ると、それだけではないことがはっきりわかります。
東京都が育てようとしているのは、ホームページ上でも示されている通り、
「クリエイティブでたくましい選手」です。
しかも、トレセンは選抜チームとして勝つための場ではなく、あくまで個を高めるための場として位置づけられています。
ここがすごく大事です。
つまり東京のトレセンでは、
「今この試合で目立っていたか」だけではなく、
この先もっと伸びていく土台を持っているかが見られているということです。
東京都サッカー協会の資料から見える「選ばれる選手の共通点」
少しさかのぼると東京都サッカー協会では、U-12年代の理想の選手像として
「Tokyo U-12’s way」が示されています。
そこに書かれている内容を見ると、東京で評価される選手の特徴はかなり明確です。
1. 観て、判断できる選手
最初に出てくるのがこれです。
ただ“見る”ではなく、
- どのタイミングで
- 何を
- どう観るか
がわかっている選手。
しかもポイントは、ボールを持っている時だけではありません。
off the ballで観ることができるかが強く意識されています。
これはかなり本質的です。
試合の中で差が出るのは、ボールを持った瞬間より前の準備です。
- 味方を観ているか
- 相手を観ているか
- スペースを観ているか
- 次のプレーを考えているか
ここがあるから、プレーの選び方が変わります。
逆に言うと、東京都サッカー協会は
「持った後にうまいか」だけではなく、
持つ前から何を観ていたかです。
2. 判断を伴ったテクニックを発揮できる選手
テクニックももちろん重視されています。
ただし、それは単なるボール扱いの上手さではありません。
書かれているのは、
「判断を伴ったテクニックの発揮」です。
たとえば、
- ファーストタッチの質
- プレーの選択
- 周りを観たうえで技術を使えるか
- 攻撃や守備の優先順位を理解しているか
こういった要素がセットで見られています。
つまり、東京都サッカー協会は
技術そのものよりも、
状況に合った技術の使い方が見られている。
ボールを止める、蹴る、運ぶ。
その全部に「なぜそれを選んだのか」が伴っているかどうか。
ここが大きな分かれ目です。
3. 攻守に関わり続けられる選手
- ボールに寄る
- パスしたら動く
- 周りを観る
- ボールを奪いに行く
- off the ballでの動きの質
といった言葉が並んでいます。
ここから見えるのは、
東京都サッカー協会は一回プレーして終わりの選手ではなく、
攻撃でも守備でもプレーに関わり続ける選手を求めているということです。
これは実際の試合でもかなり差が出ます。
上手い子でも、
- パスを出したあと止まる
- 守備に切り替わった瞬間に関わりが薄くなる
- ボールの近くしか見ていない
となると、評価は上がりにくいです。
反対に、ずっと関わり続けられる選手は目立ちすぎなくても効いて見えます。
東京の資料は、まさにその部分を言語化しています。
4. コミュニケーションできる選手
これも東京都サッカー協会の特徴としてかなり大きいです。
資料には、
積極的に自分の考えを伝え、他者の思いを受けとめることができる選手
を育てるとあります。
つまり、単に声を出せばいいわけではありません。
- 自分の考えを伝える
- 味方の意図を受け取る
- 周りと関わりながらプレーする
こういう選手が求められています。
初対面の選手が集まりやすいトレセンでは、
この力はかなり大事です。
自分だけで完結する選手より、
周囲とつながりながらプレーを良くできる選手の方が、どうしても評価されやすい。
東京都サッカー協会はそこをはっきり示しています。
5. リスペクトを持てる選手
ここは保護者の方が意外に感じるかもしれません。
しかし、
リスペクトの心も理想の選手像のひとつとして明記されています。
相手、審判、味方、観客、施設、用具。
そういったものに対してリスペクトを持てること。
これは単なる“いい子でいよう”という話ではありません。
トレセンは、将来につながる育成の場です。
だからこそ、プレーだけではなく、
サッカーに向き合う姿勢そのものが見られています。
実際、東京都サッカー協会の方針でも、人間性の向上や、あいさつ、服装、言葉づかい、礼儀といった部分まで育成の目的に含めています。
ここを見ると、東京のトレセンが単に上手い選手を集める場ではなく、選手としても人としても伸ばす場であることがよくわかります。
よくある勘違い
ここまでを整理すると、トレセンで見られているのは、
- 技術があるか
- 足が速いか
- 点を取れるか
だけではありません。
むしろ、もっと大事なのは
- 観る力
- 判断する力
- 状況に合った技術の使い方
- 攻守への関わり続ける姿勢
- コミュニケーション
- リスペクト
です。
言い換えると、
東京都サッカー協会では評価されやすいのは
“派手なプレーがある選手”より、“サッカーを理解して動ける選手”です。
もちろん武器があることは強いです。
実際、資料にも「多くの要素を備えている選手が望ましいが、ひとつの要素がずば抜けている選手も選考対象になる」とあります。
ただ、その武器が本当に活きるためには、
結局は観ることや判断することが必要になります。
家庭でできること
ここまで読むと、
「じゃあ家では何をすればいいの?」
と思うはずです。
家庭でできることはかなりあります。
プレーの理由を聞く
試合後や練習後に、
- なんでそのプレーを選んだの?
- その時、何が見えてた?
- 他にどんな選択肢があった?
と聞いてみてください。
大人が正解を教える必要はありません。
子どもが自分のプレーを言葉にしようとすること自体に意味があります。
ボールを持っていない時を見る
試合を見る時、ついボールばかり追ってしまいます。
でも東京の資料を見ると、差が出るのは明らかにoff the ballです。
- パスした後にどう動いたか
- 守備でどこまで戻ったか
- ボールを受ける前に何を観ていたか
このあたりを見るようになると、
子どもの成長ポイントもかなり見えやすくなります。
判断を伴う練習を増やす
ただ繰り返すだけの練習では、判断は伸びにくいです。
- 右と左のどちらを選ぶか
- 運ぶか、はたくか
- そのファーストタッチは前か横か
こうした“選ぶ余地のある練習”を増やすことが大切です。
東京の資料が示しているのは、
技術を持っているだけではなく、
判断とセットで使えることだからです。
日常の振る舞いも整える
最後に意外と大事なのがここです。
- あいさつ
- 話の聞き方
- 人への接し方
- 道具や施設を大切にすること
東京都サッカー協会は、この部分も育成の中に入れています。
サッカーの技術とは別に見えるかもしれませんが、
こうした姿勢は、集団の中に入った時にかなり表れます。
まとめ
東京都のトレセンの方針を見ていくと、
選ばれる選手の共通点はかなりはっきりしています。
それは、
- 観て判断できる
- 判断を伴って技術を使える
- 攻守に関わり続けられる
- 周囲とコミュニケーションできる
- リスペクトを持って行動できる
ということです。
トレセンは、
ただ上手い選手を集める場所ではありません。
将来もっと伸びる選手を、高い基準の中で育てる場所です。
だからこそ見られているのは、
目立つプレーそのものよりも、
そのプレーの土台にある“観る・考える・選ぶ”力なのだと思います。
IPPOでは、こうした
プレーの目的や判断の基準、ポジショニングの考え方を、子どもにもわかる形で整理して伝えています。
もしお子さんが、
- 技術はあるのに評価されにくい
- 何を見て、何を考えればいいのかわからない
- トレセンに向けて何を意識すればいいか知りたい
そんな状態なら、
それは「考える力」が伸びるタイミングかもしれません。
一度、IPPOの無料体験で
普段とは違う学び方を見てみてください。

