
「ボールばかり見てしまって、周りが見えていない…」
「うちの子、パスを出せる場面で気づかずにドリブルしてしまう…」
そんな悩みを持つ保護者の方も少なくないと思います。
実は“視野”は、才能だけで決まるものではありません。意識やトレーニング次第で、誰でも広げていける力なんです。
今回は、視野の狭さに悩む子どもに向けた具体的な練習法や、ご家庭でできる工夫についてご紹介します。
お子さんのプレーの可能性を広げるためのヒントになれば幸いです。
なぜ視野が狭くなるのか?
まずは、そもそもなぜ視野が狭くなってしまうのか、原因から考えてみましょう。
① ボールばかり見てしまう
特に低学年やサッカーを始めたばかりの頃は、どうしても「ボールに集中しすぎる」傾向があります。
ボールを見ている間は、当然ながら周りの味方や相手が見えにくくなってしまいます。
② 緊張で余裕がなくなる
試合の場面で緊張してしまうと、頭の中がいっぱいいっぱいになり、視野がぎゅっと狭くなります。
「どこを見ればいいのかわからない」「早くボールを離さなきゃ」などの焦りが、さらに視野を狭くしてしまいます。
③ 見る・判断する・動くの流れが作れていない
サッカーでは「見る→判断→動く」の流れがとても大切です。
でも、視野が狭い子の多くは、“見ること”に意識を向ける練習ができていません。
だからこそ、「見る練習」がとても重要になります。
視野を広げるためのトレーニング
では、具体的にどんなトレーニングをすればいいのでしょうか?
① 首を振るくせをつける
サッカーでは、「首を振れ」とよく言われます。
これは、ボールが来る前や持っているときに周りの状況を見ておくという意味です。
たとえば、パスをもらう前にチラッと後ろを見ておくことで、「敵が近い」「味方がフリー」といった情報が頭に入ります。
この“情報のストック”があると、ボールを持った瞬間に次の動きがスムーズになります。
初めは意識しないと難しいですが、練習で繰り返すことで自然とできるようになります。
② 複数の要素を意識する
「味方の位置だけ」ではなく、「相手の位置」「空いているスペース」「味方が走り出すタイミング」など、複数のことを同時に見る練習が必要です。
最初からすべてを見るのは難しいので、まずは
- ボールと相手ディフェンス
- 味方と空いているスペース
など、2つの視点をセットで見られるようにしていくと良いでしょう。
③ ゴールから逆算して“観る”意識
視野が広いと感じる選手でも全てのものを見ているわけではありません。
サッカーはゴールを決めるスポーツなので、ゴールを決めるために「どこのスペースが効果的か」、「どの選手が優位な状況か」を意識して見れると落ち着いて良い選択ができます。
常にゴールを意識していると、目で見るだけではなく細かいところまで”観る(観察する)”意識が伸びていきます。
家庭でもできる視野育成の工夫
「視野を広げる」と言うと難しく感じるかもしれませんが、ご家庭でもできることがたくさんあります。
① 映像を見ながら問いかける
サッカーの試合映像(テレビやYouTubeなど)を一緒に見ながら、
- 「今、他に出せる選手はいたかな?」
- 「この選手、どこを見てたと思う?」
などの問いかけをしてみると、視野を広げる意識が自然と芽生えます。
自分の試合映像があるなら、それを一緒に見返してみるのもおすすめです。
② 同時に複数を見る“癖”をつける
日常生活の中でも、
- 横断歩道で車と信号の両方を見る
- 教室で先生と友だちの反応を同時に見る
など、「同時に複数を見る」ことを意識させると、視野が広がるベースができます。
遊びの中でも「しりとりしながらボールタッチ」など、“2つのことを同時にする”遊びが効果的です。
③ 変化を褒める声かけ
視野が広がってきた子どもは、ちょっとしたプレーの中で工夫が見えるようになります。
- 「今、よく味方見えてたね!」
- 「ボール来る前に後ろ見てたの、ナイス!」
そんな具体的な変化を見つけて褒めることで、「見ようとする意識」が続くようになります。
視野を広げる力は、“気づいて、褒めてもらえた経験”の中で育つものでもあります。
おわりに:視野が広がると、サッカーがもっと面白くなる
視野が広がってくると、サッカーのプレーは一気に変わります。
「今までは見えていなかったパスコースが見える」
「味方の動きに合わせたプレーができる」
「先の展開を予測して動けるようになる」
そんな変化が、子どもの自信につながっていきます。
IPPOでは、こうした視野育成のトレーニングも大切にしています。
技術や体力だけでなく、“見て考える力”を一緒に育てていく指導を行っています。
「うちの子、サッカーの全体が見えていない気がする」
「もっと余裕のあるプレーをしてほしい」
そんな保護者の方は、ぜひ一度、IPPOの体験クラスをご検討ください。視野が広がると、プレーも心も“余裕”が生まれます。
サッカーがもっと楽しく、もっと自分らしくなるお手伝いを、私たちが全力でサポートします。