
「ウイングのポジションをやっているけど、いつも同じ突破パターンばかり…」
「スピードはあるのに、チャンスにつながらないことが多い…」
そんな悩みを感じている保護者の方へ。
今回は、サイドを主戦場とする「ウイングの子」にぜひ知っておいてほしいプレー=カットインに注目します。
カットインとは、サイドからボールを持ち込んで中央に切り込んでいくプレーのこと。
この技術は、ただスピードに頼るだけでなく、タイミングや角度、工夫次第で一気にゴールチャンスを広げられる武器になります。
この記事では、
- カットインを成功させるためのポイント
- 実戦で活きる3つの具体的なカットインパターン
- おうちでもできるトレーニング方法
を紹介します。スピードに頼らない「賢い突破」で、ウイングとしての幅を広げていきましょう。
カットイン成功のポイント
“観察”と“緩急”で、勝負を決めろ!
サイドからの仕掛け、特にカットインは、試合の流れを一気に変える武器になります。
しかし、ただ速くドリブルするだけでは、相手の守備に引っかかってしまうことも多いものです。
そこで大切になるのが、「観る力」と「動きの工夫」。
ここでは、カットインを成功させるためにぜひ身につけたい3つのポイントをご紹介します。
① 相手の利き足と構えを観察する
まず大事なのは、目の前の相手をよく観ること。
相手が右利きか左利きか、どちらの足に重心をかけているかで、抜きやすい方向は大きく変わります。
たとえば相手が右利きで、右足を前に出して構えている場合。
自分の左方向(相手にとって逆サイド)から仕掛けた方が、重心移動に時間がかかるため、対応が遅れやすくなります。
また、構えているときの膝の角度や、上半身の向きにもヒントが隠されています。
真正面から構えてくる相手よりも、少し斜めに構えている相手の方が、どちらかに偏った弱点を持っている可能性が高いのです。
このように、プレーの前に“見る”習慣をつけることが、判断の質を大きく高めてくれます。
② 「加速→減速→再加速」の緩急リズムを使う
スピードがある選手ほど、つい一気に抜こうとしがちです。
でも、相手もそのスピードに備えて動いてきます。
だからこそ大切なのが、「止まりそうで止まらない」というリズムの変化です。
たとえばこのような流れ:
- まずスッと加速して、相手を慌てさせる
- 次にフッとスピードを緩めて、“あれ?”と思わせる
- その瞬間、相手の足が止まったら、もう一度ギアを上げてスパッと抜く!
この加減速の“緩急”があることで、相手のタイミングをずらしやすくなります。
一度止まりかけることで、相手が重心を戻そうとした瞬間に再加速。
これだけで、たとえ特別なフェイントを使わなくても、シンプルなドリブルが“通用する武器”になります。
この“緩急の技術”は、日頃の1対1練習やドリルでもしっかり鍛えられるものです。
③ シュートモーションで迷わせる
もうひとつ、カットインの成功率をグッと高めるのが「打つかも」フェイントです。
これは、実際にボールを蹴るわけではなく、一瞬シュートを打ちそうな体勢を見せること。
例えば、少し肩を入れたり、視線をゴールに向けたり、足を振るモーションを入れたり。
そうすることで相手は「シュートかも?」と一瞬止まる、もしくは足を出すなど、迷いの反応を見せます。
この“相手の迷い”ができた瞬間が、次の一歩を決める絶好のタイミング。
そのスキを逃さず、もう一歩深く切り込んで角度を作ったり、シュートチャンスを広げたりできます。
大事なのは、本当に打つかもと思わせる“リアルな動き”にすること。
ただ足を上げるのではなく、「この選手なら本当に打ってくるかもしれない」と思わせるような信頼感がフェイントの成功率を高めます。
家でもできるカットイントレーニング
工夫次第で、おうちでも突破力を高めることができます。
マーカーゲート突破
マーカーやペットボトルなどで狭い“門”をつくり、そこをくぐるドリブルを繰り返す練習。
カットインに必要な細かいタッチやスピードの変化を磨けます。
1対1条件付きゲーム
「カットインで抜いたら得点」などのルールをつけた1対1は、実戦に近い感覚と工夫を養う練習になります。
味方のコーチや兄弟が相手でもOK。自分から仕掛ける意識を持たせると、チャレンジのクセがついてきます。
左右どちらでもフィニッシュできるように
ドリブルからのシュート練習では、右でも左でも打てるように練習しておくと、実戦での幅が大きく広がります。
「右だけ」「得意な形だけ」に偏らないようにすることが、“通用するウイング”への近道です。
おわりに:サイドからの突破に、もっと「工夫」を
ウイングは、スピードだけでなく“判断力”や“工夫”が求められるポジションです。
今回紹介したカットインは、どれもスピードに自信がない子でもチャレンジできる形ばかり。
- 相手の足元や体の向きを観察する
- タイミングと角度を変える
- 味方との連携で選択肢を増やす
そんなちょっとした変化で、サイドからの突破は確実に進化していきます。
IPPOでは、一人ひとりの特徴に合わせたカットインやドリブルの指導も行っています。
「もっとプレーの幅を広げたい」
「ドリブルは速いけど結果が出ない」
そんなお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。
“型にはまらないウイング”を育てるためのヒントを、一緒に探していきましょう。