
「うちの子、試合中に全然声を出してない気がする」
「チームメイトにもっと声をかけてあげてほしいんだけど…」
そんなお悩みを持つ親御さんは多いのではないでしょうか。
実は、声を出すことはサッカーにおいて“技術”のひとつ。生まれつき大きな声を出せる子ばかりではありませんし、練習や工夫で十分に伸ばしていける力でもあります。
この記事では、
- 子どもが声を出せない理由
- 声を出す力を育てるための練習方法
- 親としてできるサポートの工夫
をお伝えします。
「声が小さいからダメ」ではなく、「今から伸ばせる」という視点で、ぜひお読みください。
声が出せないのは性格だけの問題じゃない
「声が出せないのはシャイな性格だから」と思われがちですが、実際にはそれだけが原因ではありません。
自信を持てていない
「言ったことが間違ってたらどうしよう」「声を出しても意味があるのかな」
そんな不安があると、なかなか声が出せなくなってしまいます。特に、プレーに自信がないときは声を出す余裕もなくなるものです。
声の“内容”が分からない
何をどう伝えればいいのか分からない、という子も多くいます。
「ナイス!」や「右にいるよ!」などのシンプルな声かけも、自分が使える言葉として身についていないと、とっさには出てきません。
「伝える」意識が薄い
サッカーでは、“プレーで示す”ことに意識が向きがちで、「言葉で伝える」ことの重要性を実感しにくい時期もあります。
でも、味方に情報を届けることは、試合を優位に進めるための立派な武器です。
「声を出す力」は練習で伸ばせる
声かけも、他の技術と同じように練習で身につけていくことができます。
具体的なフレーズを覚える
まずは使いやすい定番の声かけをいくつか覚えることから始めてみましょう。
例:
- 「ナイス!」「ありがとう!」(気持ちを伝える)
- 「後ろマークいるよ!」(状況を伝える)
- 「パスちょうだい!」(要求を伝える)
使う言葉が決まっているだけでも、子どもは自信を持って声を出しやすくなります。
タイミングを練習する
「いつ声を出すか」も大切なポイント。
- パスを受ける前に
- 味方がボールを持った瞬間に
- 守備に戻るときに
など、具体的な場面を想定して練習することで、実戦での“声の使いどころ”が身についてきます。
ゲーム形式で声出しを促す
IPPOの子どもたちにも伝えていますが、ミニゲームや練習試合の中で「声を出した回数」や「伝わったかどうか」に注目すると、子どもは“声を出す目的”を実感しやすくなります。
楽しく、自然に、少しずつ声を出すことを日常にしていくことが大切です。
家庭でできるサポート
声かけ力を育てるには、家庭での関わりも大きな力になります。
ここでは、日常の中でできる3つの関わりをご紹介します。
1. 映像で振り返る
試合や練習の映像を一緒に見ながら、
「ここで何か声をかけられたかな?」
「今のシーンで、相手に伝えたいことって何だった?」
と問いかけるだけで、言葉でのコミュニケーションへの意識が高まります。
2. 声を出せた場面を具体的に褒める
試合後の「今日は声出せてたね!」という一言は、子どもの大きな励みになります。
とくに、「“ナイス!”って言えてたね」「守備のときに“後ろ!”って言えてたの良かったよ」と行動を具体的に褒めると、再現性が高まります。
3. 普段の会話を増やす
家族との会話の中でも、「どうだった?」「どう思った?」と自分の意見を言葉にする機会を意識的につくることで、“伝える力”そのものが育っていきます。
「声を出す」のは、プレーの一部であると同時に、人との関わりを築く土台でもあります。
日常でのちょっとした声かけが、試合での声かけにつながっていくのです。
最後に:声が出せないのは「今」だけかもしれない
試合で声が出せない子どもを見ると、つい「もっと元気よく!」と言いたくなってしまうかもしれません。
でも、声を出すのが苦手な時期は、誰にでもあります。
大切なのは、「出せない」ことを責めるのではなく、「出せた!」を積み重ねていくこと。
その繰り返しの中で、子どもは自信を持ち、伝える力を育てていきます。
IPPOでは、声を出すことに自信がない子どもでも安心してチャレンジできる環境を整えています。
技術だけでなく、気持ちの面までサポートしながら、「伝えられる選手」を育てていきます。「声が小さいかも」「コミュニケーションが苦手かも」と感じたときこそ、どうぞお気軽にご相談ください。
一歩ずつ、自信と一緒に“声”を育てていきましょう。