サッカーIQとは

サッカーIQとは?オンラインサッカー塾IPPOが伝えたいこと

IPPOコーチの長坂です。

初登場ですが自己紹介は割愛して早速内容に入っていきます!

今回は「サッカーIQとは」についてお話しします。

「サッカーIQ」という言葉聞いたことありますか?

近年海外サッカーの情報が入ってくるようになり、耳にする機会が増えているかもしれません。

解説者や監督として活躍する林陵平さんはサッカーIQについてSportsnaviの取材で以下のように答えています。

「ピッチの中で、状況に合わせて最適なポジションを取れて、様々な選択肢の中から最適な選択ができる選手」

IPPOではサッカーIQを「状況に合わせた適切なプレーを選択する力」と定義しています。

かなり似ていますね。

キーワードは「状況」「最適なプレー」「選択する」です。

状況はボールの位置、スペースの位置、相手の位置、い方の位置、スコア、時間帯、天候、ピッチ状況などの要素によって常に変わります。

適切なプレーは、サッカーの試合の目的である「試合に勝つ」ことを達成するために適しているということであり、それは状況に応じて変化します。その状況を打開するための効果的な選択は常に一つとは限りません。

選択することは、今置かれた状況において、いくつかある勝利のために効果的なプレーの中から実際に行うプレーを選ぶということです。この選択にはチームのプレー原則や選手間のコミュニケーションが判断に影響を与えます。

サッカーIQがどのように役立つのか?具体例で解説

以下のような状況について具体的に考えてみましょう。

ミドルサードで青チームの選手がフリーで前を向いており、青チームのFWがボールに寄ったところに相手CBが食いついているという状況です。

この状況ではサイドの選手が相手ディフェンダーの背後でパスを受けるのが最適なプレーだと考えられます。

このプレーが最適である理由は、サッカーの試合で勝利するために必要な「点を取る」可能性の高いプレー選択だからです。

ですが、例えば1-0で勝っている後半のアディショナルタイムではこのプレーを選択しないのが適切かもしれません。

長い距離のパスはミスの可能性を高め、相手にボールを渡してしまう可能性が高まるからです。

また、ボールホルダーにこのプレーを遂行するためのキックの技術やフィジカルがない場合、別のプレーを選択せざるを得ないかもしれません。(小学生年代ではこのような身体的制約が多くなります)

このように試合中は頭の中で思い描いたプレーを選択するのではなく、あくまで状況を冷静に分析して現実的な判断のもとプレーする必要があります。

ただ、プレーを選択する際に今置かれた状況では何をするのが効果的なのかを理解していなけばチームでプレーの意図を合わせることができません。

今回設定したシチュエーションでも、青チームのFWのアクションと相手CBがつられてできたスペースをボールホルダーとSHが認知している必要があります。(状況について)

一つ目のキーワード「状況」は目に映っている情報をどう解釈するかによって変わります。

次に認知したスペースを有益だと判断したボールホルダーとSHはこのスペースに人とボールを届けることが点を取るために効果的だと判断します。(適切なプレーについて)

2つ目のキーワード「適切なプレー」を試合中に引き出すには、戦術メモリを蓄える必要があります。

戦術メモリとは、パターン化して記憶された試合中のプレー選択の情報です。(今後詳しく解説します)

試合中の時間とスペースがない環境では「考える」プロセスでは速さも正確性も足りません。あらかじめ頭に刻まれたパターンの中から引き出す必要があります。

そしてボールホルダーはそのスペースにパスを出し、SHは走り込んでパスを受けるプレーを実行します。(選択する)

3つ目のキーワード「選択する」にはそのプレーが今の状況で適切なのかどうかに加えて、そのプレーを実行できる心技体が備わっているかも関わってきます。

このように、試合中選手は受け取る情報を解釈し、その状況において適切なプレーを戦術メモリから引き出し、その中から実行するプレーを決断するといったプロセスを繰り返しています。

サッカーが上達するとは、このプロセスを速く、正確に、より豊かに行うことができるようになるということだと考えています。

ドリブルが上手くなるとか、キックが飛ぶようになるとか、プレッシャーに負けないメンタルが身につくとか、そういったことは1つの手段に過ぎないのです。

その手段を使って試合中何を実行するのか。ここが重要です。

サッカーIQの向上=プレーの向上

サッカーIQを向上させることは判断力という試合におけるプレーの土台を鍛えるということであり、サッカーIQの向上なしに真のプレーの向上はないのです。

サッカーIQは幼少期から身に着けることができます。

サッカーを知ること、そして試合を積み重ねること。この2つの相互作用によって、戦術メモリが形作られ、サッカー選手としての器が大きくなっていきます。

サッカーIQはその存在を意識したときから私たちに学びを与えてくれます。

まずはその存在を知ることから始めましょう。

成長のカギはすぐそばに。

今回はサッカーIQとは何かについて解説しました。

次回はサッカーIQがなぜ必要なのか、サッカーがどういったスポーツなのかという観点からお話しできればと思います。また次回お会いしましょう。

お楽しみに!

IPPO代表)岡田(左)と長坂